不動産売却の仲介手数料とは?

  • 2019年4月15日
  • 2019年6月28日
  • 不動産
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不動産を相続した場合の対応の1つとして、不動産を売却してその売却代金を相続人で分ける(換価分割)という方法があります。そして、相続した不動産を売却するときには、不動産会社に対して仲介手数料を支払うことになります。

このページでは、不動産を売却するときにかかる仲介手数料について解説します。

不動産売却の仲介手数料とは?

不動産売却の仲介手数料とは、不動産の売却が成立した場合に、売却先との調整などの仲介を行ってくれた不動産会社に支払う成功報酬です。不動産売却時の仲介手数料は「売却価格×3%+6万円」で計算することができます。

不動産の売却を行うためには、不動産を売りたい人と買いたい人がいなければ成立しません。知り合いに紹介をしてもらったり、友達に不動産を買いたい人がいたりする場合には、不動産の売却先を自分でみつけることができるかもしれません。しかし、不動産を買いたいという人はなかなかいるものではありませんので、通常は不動産会社への依頼をすることになります。

不動産を売却しようと思った時に不動産の持ち主が不動産会社に依頼をすると、不動産会社はその売却したい不動産の買い手を探さなければいけません。不動産の買い手を探すためには広告費や人件費などの費用がかかりますので、不動産会社としては買い手を見つけた時の成功報酬として仲介手数料を取るのです。

相続した不動産を売却しようとするときには、なるべく高く売却したいと思いますし、なるべく多く手元にお金を残したいと思うはずです。そこで、不動産を売却したときに売却代金から引かれてしまう仲介手数料の上限と、不動産業界での相場をご紹介します。

不動産売却の仲介手数料の上限・相場は?

仲介手数料の上限

不動産会社は仲介手数料をある程度自由に決めることができます。ただし、国土交通省が定めた「宅地建物取引業者が宅地又は建物の売買等に関して受けることができる報酬の額」(昭和45年建設省告示第1552号)で仲介手数料の上限が決められています。

不動産会社はその上限の中で自由に仲介手数料を決めることができることになりますが、仲介手数料の金額については、事前に売却を依頼した人の合意を得る必要があります。

売却金額仲介手数料
200万円以下の金額取引額の5.4%以内
200万円を超え400万円以下の金額取引額の4.32%以内
400万円を超える金額取引額の3.24%以内
(参考条文)昭和45年建設省告示第1552号 第二

昭和45年建設省告示第1552号

第二 売買又は交換の媒介に関する報酬の額

宅地建物取引業者(課税事業者(消費税法第五条第一項の規定により消費税を納める義務がある事業者をいい、同法第九条第一項本文の規定により消費税を納める義務が免除される事業者を除く。)である場合に限る。第三から第五まで、第七、第八及び第九1において同じ。)が宅地又は建物(建物の一 部を含む。以下同じ。)の売買又は交換の媒介に関して依頼者から受けることのできる報酬の額(当該媒介に係る消費税等相当額を含む。)は、依頼者の一方につき、それぞれ、当該売買に係る代金の額(当該売買に係る消費税等相当額を含まないものとする。)又は当該交換に係る宅地若しくは建物の価額(当 該交換に係る消費税等相当額を含まないものとし、当該交換に係る宅地又は建物の価額に差があるときは、これらの価額のうちいずれか多い価額とする。)を次の表の上欄に掲げる金額に区分してそれぞれの金額に同表の下欄に掲げる割合を乗じて得た金額を合計した金額以内とする。

出典:http://www.mlit.go.jp/common/001213871.pdf

また、不動産売却時の仲介手数料については、2018年1月1日の改正で低廉な空き家等の場合に限り、特例で仲介手数料が決められています。低廉な空き家等とは、価格が400万円以下の不動産のことを指しています。

その仲介手数料の額は、通常の不動産売却と比較して、現地調査などの費用が発生する場合、その費用と先ほど紹介した上限額を合計した額となります。さらに、その合計の上限は、「18万円×1.08(消費税)」となります。

昭和45年建設省告示第1552号 第七 第八

第七 空家等の売買又は交換の媒介における特例

低廉な空家等(売買に係る代金の額(当該売買に係る消費税等相当額を含まないものとする。)又は交換に係る宅地若しくは建物の価額(当該交換に係る消費税等相当額を含まないものとし、当該交換に係る宅地又は建物の価額に差があるときは、これらの価額のうちいずれか多い価額とする。)が四百万円以下の金額の宅地又は建物をいう。以下「空家等」という。)の売買又は交換の媒介であって、通常の売買又は交換の媒介と比較して現地調査等の費用を要するものについては、宅地建物取引業者が空家等の売買又は交換の媒介に関して依頼者(空家等の売主又は交換を行う者である依頼者に限る。)から受けることのできる報酬の額(当該媒介に係る消費税等相当額を含む。以下この規定において同じ。)

は、第二の規定にかかわらず、第二の計算方法により算出した金額と当該現地調査等に要する費用に相当する額を合計した金額以内とする。この場合において、当該依頼者から受ける報酬の額は十八万円の 一・〇八倍に相当する金額を超えてはならない。

第八 空家等の売買又は交換の代理における特例

空家等の売買又は交換の代理であって、通常の売買又は交換の代理と比較して現地調査等の費用を要するものについては、宅地建物取引業者が空家等の売買又は交換の代理に関して依頼者(空家等の売主又は交換を行う者である依頼者に限る。)から受けることのできる報酬 の額(当該代理に係る消費税等相当額を含む。以下この規定において 同じ。)は、第三の規定にかかわらず、第二の計算方法により算出し た金額と第七の規定により算出した金額を合計した金額以内とする。 ただし、宅地建物取引業者が当該売買又は交換の相手方から報酬を受 ける場合においては、その報酬の額と代理の依頼者から受ける報酬の額の合計額が第二の計算方法により算出した金額と第七の規定により算出した金額を合計した金額を超えてはならない。

出典:http://www.mlit.go.jp/common/001213871.pdf

仲介手数料 = 3%+6万円 の根拠は?

先ほど紹介した仲介手数料の表では、「400万円を超える金額→3.24%」となっていました。しかし、実際の不動産取引の現場では仲介手数料は「3%+6万円」という表現が使われていますし、仲介手数料の説明を受ける際にもこのように説明されることが多いです。

では、「3%+6万円」というのはどこから出てきたのでしょうか?

たとえば、3000万円で不動産を売却したとします。その場合、仲介手数料は3000万円の3.24%ではなく、200万円の5.4%+200万円の4.32%+2600万円の3.24%という計算になります。5.4%と4.32%が適用される400万円の部分について、3.24%で計算した場合との差は64800円ですので、消費税を抜くと6万円になります。また、3.24%というのも消費税が含まれていますので、消費税を抜くと3%になります。

つまり、「3%+6万円」というのは仲介手数料を簡単に計算するための式ということになります。実際に支払う金額は、これに消費税も加わりますので注意してください。

仲介手数料の相場

相続した不動産を売却するときにかかる仲介手数料の相場は、売却金額の3%+6万円になります。

ほとんどの不動産会社が仲介手数料の上限額で請求してきます。仲介手数料が不動産会社の利益となりますので、不動産会社も上限額で利益を出したいのです。都市部であれば不動産自体の価格が高いこともあり、地域で他のライバル会社との差別化を図りたい場合などには仲介手数料を少し安くしている可能性もあるかもしれません。

仲介手数料を少しでも安く済ませたい場合には、仲介手数料を安くしている不動産業者に依頼するといいでしょう。ただし、仲介手数料を安くするために質の悪い不動産業者に依頼してしまい、不動産の売却価格自体が下がってしまっては本末転倒ですので、しっかりと高く売却するために動いてくれる業者を探すようにしましょう。

仲介手数料を支払うタイミング

仲介手数料は、不動産売買の取引が成立したときに不動産会社から半分を請求され、引き渡し時に残りの半分を請求されることが多いです。

仲介手数料は無事に不動産の買い手を見つけ契約まで行うことができたときに請求することができる成功報酬ですので、不動産の買い手が見つかり売買の契約が成立するまでは仲介手数料を支払う必要が無いのです。

また、不動産売買の契約が成立したとしても実際に不動産の引き渡しが終わっていないことがよくあります。そのため、仲介手数料の請求については行政指導がされており、不動産売買の契約が締結されたときに仲介手数料の半分を支払い、引き渡しが行われたときに残りの半分が支払われることが多くなっています。

もちろん、両者が同意している場合には、不動産売買の契約が成立した時に一括で仲介手数料を支払っても問題にはなりません。

仲介手数料は値下げ交渉できるか

仲介手数料が無料・半額になる仕組み

不動産売買の仲介手数料を無料で行っている不動産会社は確かにありますが、それは買い手の仲介も同じ不動産会社が行っている、両手取引の場合であることがほとんどです。

両手取引の場合には、不動産会社は不動産の買い手側からも仲介手数料を受け取ることができます。そのため、売り手側へ仲介手数料を請求することなく、不動産会社は利益を出すことができ、仲介手数料を無料にすることもできるのです。

仲介手数料が半額になっている場合も同じく両手取引で、売り手と買い手から半額ずつ仲介手数料を受け取っているケースが多いです。

仲介手数料が安い不動産会社に依頼するデメリット

相続した不動産を売却する場合に、多くの人は仲介手数料が安い不動産会社に頼むべきだと思うでしょう。たしかに、仲介手数料が安いことはメリットですが、必ずしも仲介手数料が安ければ良いということではありません。

不動産を売却するときには、不動産を少しでも高く売るために広告を出したり、スタッフが写真を撮りに行ったりしますので、広告費や人件費がかかります。さらに、不動産会社は契約書の作成や手続き、調査や決済の立ち合いなど、不動産の売買が成立するまでしっかりと面倒を見てくれます。このような不動産会社の働きに対して支払うのが仲介手数料ですので、その仲介手数料が安ければあまり良い仕事をしてくれない可能性があります。

また、両手取引は買い手の仲介も売却を依頼した不動産会社が行うことになりますので、買い手の幅が狭まるなどして、売却価格が下がってしまうということも考えられます。

仲介手数料を節約するために、不動産自体の売却金額が下がってしまっては意味がありませんので、不動産の売却は信頼できる不動産会社に相談するようにしましょう。相続の手続きを弁護士や税理士、司法書士、行政書士に依頼している場合には、相続した不動産の売却をするときにおすすめの不動産業者を聞いてみることをおすすめします。

仲介手数料の値下げ交渉

仲介手数料の「3%+6万円」というのはあくまでも上限金額でしたので、仲介手数料の値下げ交渉をすることは可能です。ただ、仲介手数料の値下げは先ほど前述した通り、不動産会社としてはあまりうれしいことではありません。あまりにしつこく値下げの交渉をすると、広告などに力を入れてくれなかったり、クレーマーとして扱われたりしてしまう恐れもあります。

ただ、ライバル企業が多い都市部の不動産など、高額な不動産の売買であれば仲介手数料の値下げに応じてくれる可能性もありますので、一度は交渉してみてもいいでしょう。

仲介手数料以外の費用の取り扱いは?

不動産売却の際に仲介手数料以外にも費用がかかります。では、仲介手数料以外の費用の扱いはどのようになっているのでしょうか。

広告費用

不動産会社が不動産を売却するためには、その不動産が売りに出されていることを知られなければいけません。そのために、レインズと呼ばれる不動産業者のためのデータベースに登録を行ったり、折り込み広告やインターネットに情報を公開したりと、宣伝には広告費用や人件費がかかります。

しかし、基本的に不動産会社は仲介手数料以外の報酬を受け取ることが出来ません。そのため、不動産を売却するために不動産会社が広告を打ったとしても費用を請求することが出来ないのです。

例外的に、広告費を売り手が支払わなければならいないケースがあります。それは売り手が不動産会社に広告を依頼した場合です。どうしても売りたい物件があり、特別に広告を依頼した場合は広告費を支払わなければなりません。不動産会社からしてみると通常の広告ではないので、成功報酬に含まれていない広告費となり、その分の費用については、不動産会社が売り手側に請求できます。

測量・登記の費用

相続した不動産を売却する場合に、隣の土地との境界が確定していないものも多くあります。そのようなときには、土地家屋調査士などに依頼して、測量と境界の確定をしてもらう必要があります。また、不動産を売却したときには、不動産登記を司法書士に依頼することになりますので、司法書士への報酬を支払います。

これらの、土地家屋調査士や司法書士などに支払う測量・登記の費用については、不動産会社に支払う仲介手数料とは別に必要になります。

譲渡所得税

相続した不動産を売却して得た所得に対しては、譲渡所得税がかかります。譲渡所得税は、不動産の取得費や各種手数料を売却金額から引いた利益金額から計算され、不動産を保有している期間が5年以下の場合には所得税30%と住民税9%、5年を超えている場合には所得税15%と住民税5%がかかります。

ただし、相続した不動産ですと先祖代々受け継いでいる土地で取得費がわからないということも多くあります。このような場合には、特例で売却した価格の5%を支払えばいいということになっています。

賃貸の仲介手数料との違いは?

不動産売却以外にも賃貸の場合も仲介手数料がかかります。

賃貸物件を探す時に一件ずつ賃貸を見て周ったり、大家さんと直接交渉をしたりするのは非常に労力や時間がかかります。そこで不動産会社が大家さんと賃貸を借りたい人の仲介をしてくれます。大家さんは宣伝をしなくても家を借りてくれる人が見つかりますし、借りたい人も不動産会社と契約している賃貸を沢山の種類から選び直接交渉をしなくても済むのです。

賃貸の場合にも、不動産売買のときと同様に不動産会社が仲介に入っていますが、売買と賃貸の仲介手数料には違う点もありますので、不動産売買と賃貸の仲介手数料の違いについて解説します。

賃貸の仲介手数料

不動産賃貸の場合も、不動産会社が受け取ることのできる仲介手数料の上限が決められています。多くの場合には、借りる側が仲介手数料を賃料の1ヶ月分支払っています。

  • 大家さんと物件を借りる人から受け取ることのできる仲介手数料は月の賃料の半分以内
  • 依頼者の承諾があればどちらか一方から賃料の1ヵ月分以内を受け取ることもできる

賃貸の仲介手数料も相場は各地域によって異なりますが、仲介手数料が無料の賃貸もあります。ちなみに無料となる1つの理由としては、大家さんが仲介手数料を支払ってくれている場合があります。大家さん側からすると賃貸物件に空き室があると、その分収入が減ってしまいます。そこで賃貸手数料を無料にすることで、早く空き室を借りてもらい家賃収入を安定させようとしているのです。

売買と賃貸では仲介手数料の額が違う

不動産売買と不動産賃貸では動くお金の桁が違います。不動産売買であれば取引額の「3%+6万円」となっていますので、ある程度の金額を仲介手数料として得ることができます。たとえば、4000万円の物件であれば、消費税抜きで126万円の仲介手数料を受け取ることができます。

一方で、不動産賃貸の場合は1ヵ月分の賃料の半分、もしくは1ヵ月分以内と金額としては不動産売買よりも小さなものとなります。賃料が15万円の物件であれば、不動産会社が受け取る仲介手数料も15万円となります。

件数自体は不動産賃貸のほうが多いので、どちらの仲介手数料も不動産会社の大きな収入源となっていることは間違いありません。